タロウの香水Biz備忘録(武蔵野ワークス)

※香水メーカー武蔵野ワークス(香水工場)の日常を国分タロウがお伝えします。
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    
<< June 2009 >>
+ OTHERS
+ PROFILE
サンダルウッド物語、古くて新しい香り「白檀」に夢中#2
千年香るサンダルウッド(白檀)
-------------------------------

●世界のサンダルウッド(白檀)事情

古来より銘木の誉れ高い樹木に「黒檀」と「紫檀」があります。それらはチークやマホガニー、ウォールナットのように硬く重く、虫などに浸食されない半永久の耐久性と木目の美しさから、最高級木材として珍重され仏像や仏壇、贅沢な調度品などに利用されてきました。

同じく仏像や仏壇などに利用された木材が「サンダルウッド(白檀)」です。サンダルウッド(白檀)の耐久性は黒檀・紫檀に及びませんが、その代わり甘く深い芳香を放ちます。

香木は多くの場合、火にくべたり焚いたりして熱を加えないと香りを発しないためお香や線香に加工されてはじめて香りを楽しめます。しかし、サンダルウッド(白檀)はそのままで香る香木です。正倉院に納められたサンダルウッド(白檀)の仏像は現在でも香ります。

そのことから「サンダルウッド(白檀)は千年香る」と言われます。要は何年香るかわからないといのが実情です。サンダルウッド(白檀)の香りの実体は、木材に含まれる精油(エッセンシャル・オイル)です。

サンダルウッド(白檀)の数珠や扇子をお持ちの方も多いでしょう。扇ぐ度に奥ゆかしい香りを漂わせるサンダルウッド(白檀)の扇子は、中国や日本で古来より貴婦人たち御用達の「オシャレ小物」です。

サンダルウッド(白檀)の英語名は「Sandalwood」(サンダルウッド(白檀))。フランス語では「Santal」(サンタル)。インドのメジャーな言語・ヒンディーでは「チャンダン」。日本語では「サンダルウッド、ビャクダン、白檀、サンタル、チャンダン」と非常に多彩な呼び名で呼ばれます。愛用者が多い証です。

サンダルウッド(白檀)の産地として、現在では世界的にインドが圧倒的に有名ですが、原産地はインドネシアとされています。サンダルウッド(白檀)はインドネシア、オーストラリアなどで産出されるほか、ニュージーランド、ハワイ、フィジー、ニューカレドニアなど太平洋諸島には広く生息しています。


(続く・・・)


| - | 06:02 | - | - |
臨時休業のおしらせ(6/25〜30)
商品の発送作業や電話対応している事務所が手狭になってきました。いろいろな企業で働いてきましたが、どこの会社も安定段階か成長段階にあると常に手狭になります。

広いところに引っ越すと「それはそれで不思議と荷物が増える」というジンクスどおり、引越す度に増えた荷物を抱えて再引越を繰り返しすことになります。

当社もまたもや引越のタイミングが来ました。前回の引越から2年半ぶりです。今度は国分寺市を出て隣町の国立市というエリアに行きます(本社は国分寺市に残ります)。

そのため引越期間中は、電話対応や発送業務を一時休止することになりました。

移転に伴う業務休止のおしらせ(6/25〜30)

引越に向けて現在事務所は若干騒然とし始めています。引っ越すことは一番効率的な大掃除のようです。倉庫の資材を整理していると「こんなモノがこんなところに!」と昔の商品やボトルやラベルやら発見して驚くこの頃です。

7月は、多数の新製品リリースラッシュがありますが、当社スタッフの心境も新らしく再出発の気分です。休業期間中、ご不便をおかけしますが、どうぞ、よろしくお願いします。



| - | 09:55 | - | - |
サンダルウッド物語、古くて新しい香り「白檀」に夢中#1
サンダルウッド物語の連載の裏事情
-------------------------------

きょうからサンダルウッド(白檀)の連載を始めます。もともと当社の製品パンフ『Product Lineup 2009』(プロダクトラインアップ)のために執筆したものに、少し手を加えて書いていきたいと思います。

サンダルウッド(白檀)は好きな人と嫌いな人が別れる、とってもわかりやすい香りながら、好きな人にはサンダルウッド(白檀)の精油同様、長くねっとりと愛して頂ける傾向にあるのです。ビジネス的にはうれしいアイテムになっています。

サンダルウッド(白檀)の好きな方の買い方は、ちょっと特徴があって、一言で言えば「サンダルウッド(白檀)指名買い」。

「いつものヤツ。いつものように2本お願いします」

こんな感じです。他の商品には見向きもされない方も少なくありません。

小さい頃、父親と仲のよかった近所のおじさんの好物は日本酒で、銘柄は○○の一升瓶オンリーでした。お中元もお歳暮も品物を考えなくてよいので大変楽だと母親が言っておりましたが、そういう並々ならぬ頑固さというかブランド・ロイヤルティ(特定ブランドや特定製品に対する忠誠心)がある方が比較的多いようです。

サンダルウッド(白檀)とはそんな魔物が潜む製品です。

この記事を書いている張本人である私はサンダルウッド(白檀)が好きかと言われると、「サンダルウッド(白檀)・命」とは行かず、ちょっとばかり愛に欠けますが、「お仏壇の匂い!」とか「おばあちゃんの家の匂い!」とか言いながら敬遠される方々に較べれば中間的かなと感じています。

この記事は、サンダルウッド(白檀)が好きかどうかわからないが、ひょっとして好きになる潜在的体質の方に好きになっていただき、この際、フローラル・フォーシーズンズ『サンダルウッド(白檀)』のトリコになっていただくためのプロパガンダです。楽しみながらハマってください。

(続く・・・)


| - | 06:10 | - | - |
バラのニオイを堪能・・・神代植物公園#7
説明を聞いて香りを確かめる日本人、説明を聞かないフランス人
-------------------------------

「暑さとバラの香りでむせ返るバラ園・・・神代植物公園」の6回目。予想外に長く引っ張ってしまいました。「まだ引っ張ってんのか」と読者のみなさんの呆れ顔が目に浮かびます。ご安心下さい。今日が最終回。

最終回を閉めるにあたり過去5回分の記事を読み返しました。と、私自身、自分が付けたタイトルなのに「暑さとバラの香りでむせ返るバラ園」が、どうも恥ずかしい。テレビショッピングような大袈裟です。ここは今さらながらタイトルを変更することにしました。

「バラのニオイを堪能・・・神代植物公園」

最終回は、日本人とフランス人の香り文化の違いの一例を取り上げます。来日中のパフューマーさんが感じた日本人の香水に接する際の特徴です。

はじめての香水に接する際、私たちがよくやるやり方は言われてみれば多くの日本人が経験ありで、いや、そうですねとヒザを打って立ち上がるところでした。

が、案外周囲の方々は案外静か。すでに常識なのかも。さすがプロばかりです。私だけがとっても凄い発見をしたようです。

ニオイがするモノや香り物は、まずはニオイを嗅いでみる。すると、頭脳に保管されている香りデータベースを高速検索し、成分名や同じ種類の香りや製品や情景や過去の実体験など、様々な情報が上がってきます。パフューマーにように千種類近い香料名を記憶しているトレーニングされた人には成分名もかなり高い確率で当たります。しかも何種類でも言い当てます。

私たちのような一般人には成分名はわかりませんが、体験のあるさまざまな事物のニオイとの類似性を無意識にチェックし「○○に似たニオイ」といった計算をします。

場合によっては昔そのニオイを体験していた頃の情景や感情まで持ってくることがあります(プルースト効果)。パッと情景が浮かぶような瞬間ってありますよね。

ニオイは多くの情報を含んでおり、多くの感情を伴う要因です。感情のスイッチを押す力があります。それゆえニオイとは立派な情報源です。

香水の場合、極論すればニオイが全てです。周辺は削ぎ落としてもいいのです。つまり、香りの本質的な楽しみは、香りそのものであり、そこにはブランド名も製品タイトルも背後のストーリーも歴史もパッケージの見た目の美しさも、芸能人の誰々さんが使っているウンヌンということも、香り以外すべて取り去って、それで素敵な香りかどうかがポイントですし、すべてです。

しかし、人は、まずは外見で入るのが本能に起因するサガ。それはやむを得ませんが、理想を言えば、香水は最初に香りで判断されるべきものだと思います。

フランス人は、香水の品定めをする際、あまり説明をきかずに香りを確かめる人が多い。香りに興味がわくと成分や開発者や背景やブランドのことを質問してきます。一方、日本人は香りを確かめる前に、あれこれ説明を聞いてからという人が多い、とは彼の体験談です。

当社は日本の香水をテーマに企業活動しています。「日本の香水」を制作するためには日本の優れた香り文化をきちんと理解し吸収することが重要だと考えています。しかし、同時に香水文化の先輩としてのフランスには学ぶべきことが多いことも実感しています。

もともと人間の汚物で街中が充満していたパリ。汚泥の中から這い上がるスイレンのように美しい香水文化の華を咲かせた歴史があります。昔から比較的清潔だったった日本人の感覚からは汚物まみれのパリなどリアルすぎます。

ニオイに対するそういう壮絶な現実と伝統が今日のフランスの香水文化を基盤であることを考えると、やはりフランスの香水文化は一歩先輩のようです。クリエイターの層の厚さだけでなく、消費者の目の肥え具合もフランスの香水文化の大きな力になっている・・・などなどいろいろ考えさせるイベントとなりました。

このイベントを企画した会社は、フォルテ。東京吉祥寺にある化粧品&香水商社さんです。たんによい製品をヨーロッパから発掘してくるだけでなくパワフルな企画をどんどん進める会社さんで目が離せません。今回は、軽いカルチャーショックとインスピレーションをもらえたイベントとなりました。

終わり

| - | 09:59 | - | - |
暑さとバラの香りでむせ返るバラ園・・・神代植物公園#6
見た目美しさと中身重視のバランスで葛藤する日本企業
-------------------------------

日本の消費者が世界一品質にうるさいことはよく語られることです。そのため日本で成功した製品は、クオリティ的に一定以上の品質があることを認めらたことです(クオリティの話であり、ヒットするかどうか別の話)。

化粧品やトイレタリーのグローバル企業は、商品開発センターをあえて日本に配置し完成品に近いベータバージョンのテストマーケティングを日本で行うところは少なくありません。世界戦略商品にとって、日本でのテストマーケティングで受け入れられ、その後世界市場にロールアウトという図式は成功図式の一つです。

それもこれも日本の消費者のよい意味での「うるささ」、別の言葉にすれば要求基準の高さを利用したマーケティングです。

しかし、この日本人の「うるささ」が、必ずしも商品の目利きの実力だけを意味していないことはマイナスの側面です。日本では、本当は美味しい野菜も、不揃いで曲がっていたり虫食いの跡といった表面的な見た目で判断され不当な評価を受けるケースは、ほんの一例です。本当の「お買い得」を私たちは見逃しているかもしれません。

パフューマーさんとのランチでは香水内に漂ったり沈殿したりするオリの話題もでました。オリはほとんどの場合、香水の香り成分のエッセンスですが、知らない人にとっては「不純物」や「異物」と取られ不良品扱いになることもあります。

オリを徹底的に排除する手法はありますが、香りと本来無関係な薬品や薬剤を添加したり、過剰なフィルタリングを行うことは香りエッセンスそのものまで奪い取る結果となります。ここはメーカーの判断の分かれ目です。

お天道様の下、自然の一部として育った野菜と、無菌室で蛍光灯の光を浴びて育った野菜の違いに似ています。過剰にフィルタリングされた香水はきれいですが、無菌室の野菜に似てちょっと味が薄いように感じます。

それは多くのパフューマーが感じることで、彼らも過剰なフィルタリングは好みでありません。フランスでは、香水の伝統と歴史が長いだけに香水にオリがあっても「香水とはそういうもの」というある程度のコンセンサスがあり、本質重視の結果としての商品の多少の見た目の悪さは許す環境や許容力があると言っておられました。

しかし、日本市場に製品を持ちこむ際は、見た目美しさの日本基準の高さがネックであり注意を要します。日本式なら、効果的な薬剤を投下し徹底的にオリの事前処理しておいた方がビジネス的には楽です。また、クレーム対応や返品対応まで考慮するとコスト的にも有利でしょう。多くの心ある日本メーカーは、この適切な妥協点を探って悩み抜いていると思います。

(続く・・・)


| - | 10:40 | - | - |
暑さとバラの香りでむせ返るバラ園・・・神代植物公園#5
興味・関心・探求心はアンチエイジングに効く
-------------------------------

パフューマーさんを囲んだランチは静かに進んでいきました。何気ない会話の中におもしろヒントも隠れていてプロの話は刺激的です。

今まで触れませんでしたが、今回の会合には著名なバラ研究者の方も招待されていました。バラ園のバラツアーで、バラに関する濃厚な話を聞くことができました。

私は香水の世界に入って、まずは香水の原料(というか「香水の究極かつ永遠の目標」)として避けがたいバラを勉強するにあたり、その方の本でバラを勉強したクチなので直接バラを前にお話を聞くのは贅沢な気分です。

しかし、お話の中でもっとも感銘を受けたことはお話の内容より、バラに対する飽くなき執念・執着心のような凄さです。

バラ園に入る前シャクヤク園がありました。すばらしい花です。中国では牡丹(ボタン)とともに芍薬(シャクヤク)は国を象徴する花として人々に愛でられています。姿の豪華さはバラにも一歩も劣りません。

シャクヤクは、一般に香りはほとんどないと考えられていますが、私たちが嗅ぎ回ったところ穏やかなフルーティな香りを放つ花を発見しやや感激しました。彼はシャクヤクについても分類や香りについてひどく詳しいのですが、あまり関心がなさそうでした。

一通りバラ園内を見終わった後、多少の自由時間を設けられましたが、多くの人は炎天下の下の徘徊だったため疲れて、まずは木陰で一服ですが、彼は違っていました。他に見たい花があるからと休憩なしにどこかへ消えます。

ランチ終了後、イベントはお開きになりましたが、彼は見たい花があるからと一人公園に戻っていきました。内心、「あの体力、あの執念はどこからくるのか!」と。

天才とは才能の前に「人並みはずれた執着心を示す」と言われますが、そんなことわざを彷彿させるパワーです。

話は飛びますが、尽きることのない興味・関心・探求心のある人は、俳優さんも、芸術家も、研究者も、一般にご高齢になってもいつまでも若々しい人が多いものです。

「心の状態とアンチエイジングの濃厚な関係」を感じていますが、このイベントでたまたまご一緒させていただいたバラ研究者の方のパワーを見て、今後のご活躍をますます確信しました。

(続く・・・)


| - | 06:03 | - | - |